2007年07月07日

怪 〜ayakashi〜 第10話「化猫 二の幕」

わーい(嬉しい顔)  Aパートは密室での会話劇。しかし、良く練られた構図に役者さんの良い演技、そして作画によるまた演技。  感情が顔に出ない者もいれば、それが声に出ない者もいる。逆に解りやすいくらいまっすぐに感情を出してくる者。  密室での会話のみでこれだけ多人数のキャラクターがこの上なく立っており、感心する事然り。  轟く叫び、同時に忍び寄る怪。全てが「感情」に突き動かされるドラマこそ、本物。  ふすまを開け、幾何学模様に居並ぶ猫たちが一斉に目を開き、上..
posted by えみりおん at 06:04

2007年06月15日

おおきく振りかぶって 第10話「ちゃくちゃくと」

わーい(嬉しい顔)  作画力は大幅に落ちてしまいましたが、演出が1話から通して非常に頑張っているので、殆ど気になりません。  演出、特に絵コンテはOPアニメが神レベルで、蟲師の監督、長濱博史さんが担当されています。  それに関して語り出すと止まらないので、OPだけでなくシリーズ通して非常に高いレベルを維持しているコンテ、レイアウトについて少しだけ。  見所は奥行き。  手前にバストショットで誰かを配置したら、かなりの確立でその奥にも誰かを配置させており..
posted by えみりおん at 02:15

2006年10月23日

天保異聞 妖奇士 第3話「華江戸暗流」

 悪くはありません、というより良く出来ています。  が、毎週が楽しみというわくわく感がありません。  この辺は恐らくキャラクターへの感情移入の部分が大きいと思います。  往壓が体現した異界がこちらに伝わらない。いえ、無理に伝えようとすれば雰囲気台無しですし、説明臭くなって神秘性も無くなります。  ただ、そのせいで主人公である往壓が、我々凡人より高い次元にあり、視聴者の感情移入を拒否されている感じを受けるのです。  同じタイプの主人公に蟲師のギンコがいますが、..
posted by えみりおん at 03:22

2006年09月28日

桜蘭高校ホスト部 第26話「これが俺たちの桜蘭祭」

 引き裂かれようとする二人だったが、苦難の末結ばれる。
これだけ。 たったこれだけです。
 この単純明快なお話を、猛烈な説得力をもって視聴者に叩き付けてくれました。  常に遠眼鏡をかけて相手の心を見透かすエクレールは、同時にその遠眼鏡でもって自らの心(目)を隠していた事も、ラスト近く捨てられたそれを見せる事で感じ取られます。  彼女もまた、家政婦であった環の母より聞かされた、まだ会ったこともない少年に恋する哀しき少女だったのです。  そして「疾走」..
posted by えみりおん at 04:35

2006年06月22日

蟲師 第26話「草を踏む音」

 「そうか…ならいい」  正直、地味すぎて肩すかしを喰らってしまいましたが、この言葉でスッと軽くなりました。  イサザにまた逢いたい、今はどこにいる、などギンコに聞く必要は無い。あれから十数年経っているにも関わらず、イサザは自分の里を、自分の事を憶え、ずっと気に掛けていてくれた。  ここでギンコが沢の事すぐに思い出せなかったから、よりイサザの想いが強く心に響いて来る訳です。  時と場所を遥かに超えた友情。  最終話にて主人公を狂言回しにするとは、また..
posted by えみりおん at 01:24

2006年06月13日

ARIA The NATURAL 第11話「その 大切な輝きに・・・」

 決してつまらない回では無かったのですが、この様な極端にシンプルなお話ですと、やはり演技が重要になってきます。  ここで言う演技は声優さんではなく、作画によるキャラクターの演技で、目の動き一つ、眉の端の動き、肩、指先一つに心が入っていないと、なかなか伝わってきません。  特に今回のゲストである、あの強烈なクセを持つ顔に深い表情を持たせるのは至難の業。  比べてしまうのはあまり良くないのですが、蟲師レベルの作画があって、初めて生きるお話だと思うのです。  そ..
posted by えみりおん at 07:35

2006年06月12日

蟲師 第25話「眼福眼禍」

 世界はこんなに美しかったんだ、という事を、言葉や演技ではなく、背景の強烈な説得力で魅せてくれた美術さんに、ただただ拍手。  全てが見えてしまう混乱という、ある意味ドラッグ体験とも言えそうな今回のテーマ。蟲師にしては珍しく、蟲と共に生きるという形ではありませんでした。  相変わらず非常に良くできたお話ではあったのですが、こう来るか、という感覚も少なく、おとなしい感じ。  前回が良すぎたんでしょうか。  そして…早い。もう来週が最終話ですか。  最後の気合..
posted by えみりおん at 02:27

2006年06月12日

蟲師 第24話「篝野行」

 非常に地味なストーリーなのに、この心にじんわりと食い込む様な演出は凄まじい。  作画も、ほんの微妙な肩や目の動きで心理を突いてきており、特に前半ギンコと野萩の対話シーンは圧巻。  あの対話シーンに子供達を配置したのはお見事。二人だけだったら、もっと激高した言い合いになる所を、幼い子供達を前に醜態を晒すまいと、特に野萩は感情を無理に押さえた対話となり、心理的なテンパリ感がビリビリと伝わってきて、蟲師屈指の名シーンとなっておりました。  私はこの村を護ってきた..
posted by えみりおん at 00:39

2006年06月04日

蟲師 第23話「錆の鳴く聲」

 蟲師ではこの様な五感に訴える作品が非常に多く、不思議なお話がとても身近に感じられます。  声が出せない分、しげは動きによる演技で感情を出さなければなりませんが、そこは蟲師。作画は非常に安定しており、一流の演技を見せてくれました。  バストショットで歩くシーンなども、うつむき加減による重みで頭が揺れる、この神経の行き届いた作画。  やる気の無いスタッフですと静止画を撮影で上下に揺らすだけの所です。  ギンコによる説得内容はもっともで、しかしそれを解るわけに..
posted by えみりおん at 23:04

2006年05月22日

蟲師 第22話「沖つ宮」

 隙のない作品は、何も考えずにどっぷり浸かれます。  今回のテーマはクローン人間。  アプローチが科学的か民俗学的かの違いだけで、扱っているテーマは同じです。  その分、正直な所SFではありふれた題材で、結末もまた予想の範疇。  良作止まりでしょうか。
posted by えみりおん at 06:20

2006年05月17日

蟲師 第21話「綿胞子」

「どうして殺すの」「お前らが人の子を喰うからだ」「僕らは悪くない」 「俺らも悪くない、だが、俺たちの方が強い」  こうはっきりと言い切れるギンコの強さは、自然、そして蟲と共に生きて来たこの世の掟を知るものだからこそ。  種の保存という本能のみで生き、知性をも身につけた蟲。しかしそれには情というものは無く、本当の子供として接してきた両親をも、保護してくれる対象として単純に利用してきただけ。  それに対して、蟲と知りつつ溢れるような情を注ぎ込む人間。  どち..
posted by えみりおん at 22:22

2006年03月12日

蟲師 第20話「筆の海」

 作画凄い音響凄い背景凄いとか、もう一々言ってたらキリがありません。  しかし、これにだけは触れておかねば、という点にCG技術があります。  文字が身体を這い回り、部屋にびっしり張り付き、それをつまんで巻物に封じ込める、この映像。これらの表現は、手描きアニメーションの限界を超えており、CGを駆使せねば映像化出来なかったでしょう。  昨今デジタル技術が導入されてから、それらは「便利」に使われすぎてきました。それら未知の可能性を秘めた技術は、手を抜くための道具に落ち..
posted by えみりおん at 04:45

2006年03月05日

蟲師 第19話「天辺の糸」

 これがホントの
吹、空気嫁
 今回の絵コンテは大地丙太郎さん。いやほんと、色んな演出家がこの作品をやりたがってるんだろうなあ…いや、やりたがっ「てた」…のか…。  清志朗はその若さ故、吹の身体を浮かせまいとした。文字通り地面に繋ぎ止めてまでして。  無論、吹を愛するが故、共に祝言をあげたいが故だったのですが、吹が清志朗に見たのは今の自分の姿を人に見せたくない、という心。遠からず、自分はここにいる者では無いのだ、と思い込んでしまった。  しかしギンコに、吹は..
posted by えみりおん at 04:47

2006年02月26日

蟲師 第18話「山抱く衣」

 質に出した大切な羽織が、売りに出され、そして買われ消えてゆく様を、ドラマや台詞ではなく「背景」として語っている辺り、感覚に訴えられ強い説得力があります。  今回のテーマは「故郷の土と共に生きる」。  「山の蚕の紡ぎ糸織って、山の木や草で染めた」、姉の心のこもった羽織を手放してから体調の悪くなった槐が、故郷に戻ってみると、土は全て崩れ落ちてしまっていました。  土地を捨てた塊に冷たかった村人も、やがて塊が姉の忘れ形見を引き取り、村の手伝いをするようになってから、..
posted by えみりおん at 14:35

2006年02月23日

おジャ魔女どれみナ・イ・ショ 第9話「バッチグー野球部/魔女たちのナイショ」

 マイナス評価の作品が続いたら、どれみを観てバランスを取るのが、ここ流。  いやしかしエロッ!! モモちゃんが背を仰け反らせた時のお腹のラインとか、エロ過ぎだよ!  性の目覚めは永井豪とか結構古いフレーズですが、こんな純児童向けアニメでここまでエロい身体見せちゃダメでしょ! 的な。  それにしても、どれみナ・イ・ショは完成度が高すぎます。  部員が集まらずに困っている高木くんの手からポロリと落ちるボール、その気持ち(ボール)を受け取ったモモちゃんの腕を、股..
posted by えみりおん at 23:53

2006年02月20日

蟲師 第17話「虚繭取り」

 その昔、双子は畜生腹とも言われ忌み嫌われたものですが、その一心同体の双子故生まれた、奇跡の物語。  してはならぬ、というべからず(タブー)は、破られる為にあります。殆どの場合は誘惑に負けた者が禁を犯すのですが、このお話では心ならずも片割れの少女がタブーを破ってしまい、それ以来、欠けた一片を求めて、綺は文を綴ります。  切なく、そして感動的なこの奇跡の物語。しかしその描写は淡々としたもの。音楽で盛り上げたり、二人の対面シーンを用意したりもしません。  日常の..
posted by えみりおん at 17:28

2006年02月17日

蟲師 第16話「暁の蛇」

 忘れたくない記憶、忘れたい記憶。そして忘れてしまった記憶と、忘れてもなお心に残る記憶。  いつもならギンコが解決するだろう「病気」も、今回は手の打ちようがありません。それは痴呆症(認知症)という現存する病気と向き合うため。  病気を治す、という言葉と共に「病気と付き合う」という言葉もあります。この親子は蟲と共に生きねばならず、しかしそれを絶望と受け取らないで、その過不足はあるでしょうが幸せに生きて行く事でしょう。  ゲーム「Kanon」の沢渡真琴シナリオでも、..
posted by えみりおん at 04:41

2006年02月05日

蟲師 第15話「春と嘯く」

 初めてではないでしょうか。惚れた腫れたの物語というのは。  元々蟲師の女性登場キャラは、純朴なイノセンスの中にゾクッと来る程のエロチシズムが漂い、なんかもーキャプってプリントアウトして部屋に貼りたくなるような美しさ。  普通、古い日本の女性というと泥臭い感覚で描かれる事が多いのですが、今まで培ってきた世界観と共に、やはりキャラクターの魅力も欠かせないものになってきました。  下手な団欒や台詞で説明せず、ただ一言すずに「ギンコ」と呼び捨てにさせる描写だけで、ギン..
posted by えみりおん at 12:37

2006年02月03日

蟲師 第14話「籠のなか」

 作画枚数こそはいつもより少ない様ですが、お話と見せ方が上手いので全く気になりません。  また、今回は特にストーリーが秀逸で、幸せ、望郷、絶望、そして希望と、ドラマチックに紡がれるお話。  過剰な演出は控え、淡々と描かれるその映像から、強いリアリティを受け取られます。  なにより、キスケの穏やかな性格が、この切ない物語をより切なく、そしてラストシーンでの希望を強く印象付けてくれます。  派手さとインパクトだけで消費者を釣るような商品は欲しくありません。  心..
posted by えみりおん at 21:05

2006年01月27日

蟲師 第13話「一夜橋」

 彩度を極端に落とし、光を追う蟲を描くその美術は、まるで水墨画の如し。  相も変わらずその美術には感嘆させられます。  またデジタルで中割りをしているのか、ニセカヅラの表現も見事で、鹿の死体に入り込む蟲のシーンなど、特に今回彩度を落としてただでさえ見えにくい状態だったのに、あの小さな蟲がはっきりと解り、尚かつ「生き物」を感じさせてくれる動き。  素晴らしいものがあります。  ただ、ハナの母親の描き方が一辺倒だったり、村八分という過酷な状況にいるゼンの立ち位..
posted by えみりおん at 19:20

2006年01月15日

蟲師 第12話「眇の魚」

 中盤からまたいつもの長台詞は出てしまったはものの、ヨキとその母のくだりは見事に「見せる」演出となっています。コンテは桜井弘明さん。  次々と素晴らしい演出家の皆さんが参加してくれる蟲師。その内サトジュンやら富野御大とかもゲストで入ってきてくれたら凄いだろうなあ。  ヌイが光と消え、ギンコが姿を現すシーンでの、色彩の無いモノトーンでの「光」の演出は圧倒的。  いつもは語りをしている土井美加さんが「蟲師・ギンコ」の母とも言えるヌイ、そして若手実力派の沢城みゆきさん..
posted by えみりおん at 21:48

2006年01月08日

蟲師 第11話「やまねむる」

 どうしてこの物語に出てくる人達はこんなにも優しく、そして悲しいのでしょう。  それは師を案じる少年であり、ムジカを慕う村人であり、またやはりムジカを愛するが故、神をも殺す少女であり、全ての業を一人受け止める老人であり。  同じ蟲を寄せ付ける体質でありながら、ギンコは放浪し、ムジカは山に留まる。そして互いの境遇を僅かにうらやましがりながらも、自分の居場所に満足している二人。  心通わせたギンコとムジカでしたが、それも束の間。老人は全てを背負って消えようとします。..
posted by えみりおん at 05:20

2006年01月08日

蟲師 第10話「硯に棲む白」

 本当の子供の声を聞けるアニメというのは少ない。  子供の声優というのは皆無と言っても良いですし、「声優」ではなく「役者」を使うとギャラが跳ね上がる。また子供はまだ技術も理解力も低いので、結果、女性声優さんが子供の声を作り、どこかの演出家に「あれは娼婦の声だ」とかと言われてしまう。  蟲師に出てくる声優さんは妙に素人臭い声が多い。が、これは決して悪い意味ではなく、ある意味、媚びる事を知る前の素直な声。  無論、キャスティングはしっかりとしていると思う。でなければ..
posted by えみりおん at 04:47

2005年12月25日

蟲師 第9話「重い実」

 毎度毎度、冒頭のシーンで度肝を抜かれます。  箸でご飯を口に運ぶ。それだけのカットにここまで気合いを入れた作画。  スタッフの本気がビシビシ伝わって来ます。  放浪者のギンコと、土地にしがみついて生きている祭主。特に今回はギンコよりも祭主の方への思い入れが強く、食わせ者の様に見えてその実、人間への愛、そして土地への愛がギリギリの葛藤を通して伝わってきます。  しかし勿体ないのは尺。とても1話に収まるシナリオ量ではなく、たっぷりと間の欲しいシーンもスカスカ通さ..
posted by えみりおん at 23:54

2005年12月11日

蟲師 第8話「海境より」

 これは凄い。  冒頭、串を拾い上げる指。その串と指自体の重みに、ほんの僅かにたわむ指先。このワンショットで今回の作画はとんでもないレベルだと予感させられました。  果たして、腕だけでなく身体全体で艪を漕ぐ動作、歩いている時のバストショットの揺れのみで足下の地形が解る作画。  オーバーアクションは一切無く、しかし、眉の端一筋、小指の先一本にまで演技しているこの入魂の作画は、現状のテレビアニメではトップクラスでしょう。  また作画だけでなく、初代奥さん「みち..
posted by えみりおん at 05:06

2005年12月06日

蟲師 第7話「雨がくる虹がたつ」

 心に染み入る良いお話です。  生と死の間、こちらの世界とあちらの世界の境界線。  蟲師では、それら緊張感の強いドラマが続いていたのですが、そこにふっと肩の力が抜けたストーリー。  父が、祖父が見たという虹を探す男。はっきりとした強い動機こそありませんが、いつの間にか村に自分の居場所が無くなり、ある意味ロマンを求めて旅を続けていた所にギンコと出逢います。  雨宿りの洞穴での二人の会話は、無遠慮でそっけなく、しかし各々が何か惹かれるものを持っている事を確かめ合い..
posted by えみりおん at 23:42

2005年11月27日

蟲師 第6話「露を吸う群」

 2話においては向こう側に足を踏み入れたい誘惑を描き、そして今回、遂に向こう側へ行ってしまった少女が描かれました。  解釈次第では、大麻を栽培している小島、という様にも見えますが、ここは素直に人外の世界に足を踏み入れてしまった、と見るのが正しいでしょう。  あやこが踏み入れた世界は人間のものでは無く、そこは人間の尺度で物事を見ることが出来ない。人間であれば絶対である筈のその尺度が意味をなさない。  それは例えば麻薬の様に良い悪いで決められない相対的なものであり、..
posted by えみりおん at 23:08

2005年11月22日

蟲師 第5話「旅をする沼」

 やはり1話〜3話であれだけのものを観させられてしまえば、ちょっとやそっとの事では感動出来なくなってしまい、人間の慣れというのは嫌なもんだなぁ、と思う今日この頃。  これは当初からずっと感じていた事なのですが、台詞の量が多すぎて尺的に余裕が無いのが共通した難点でしょうか。演出も作画も背景も音響も、それなりに良い仕事をしているので彼らを信じて、説明や解説をもっと押さえた、より感じさせてくれるシナリオが期待されます。  今回は救いのあるお話で良かった。  やはり観た..
posted by えみりおん at 23:27

2005年11月16日

蟲師 第4話「枕小路」

 普通の回が来てしまいました。  演出もいつも程のキレは無く、お話も救いのないもので後味が悪い。台詞回しやモノローグも若干冗長に聞こえてしまい。  しかし津波の作画や背景は、やはり良い仕事をしており、それだけでも十分観られるものでした。  4話ですからね。そろそろ息が切れてきますか。  期待しておりますので頑張って欲しいものです。
posted by えみりおん at 20:43

2005年11月06日

蟲師 第3話「柔らかい角」

 前回の視覚に続いて今回は聴覚。  いずれも人にとって、それが無くなる事が非常に恐怖であるもの。  しかし、前回の光の河や今回の音の波にせよ、恐怖の対象であると共に、強く心惹かれてしまう所が芸術的でもあります。  今回の特筆すべき点は、真火きゅんの可愛らしさその音にあります。私も長いことアニメやら見てきましたが、「人が耳を塞いだ時の音」という音響は初めて聞きました(以前にありましたよ、という方がいましたら是非コメントで教えて下さい)。  それを真火の母は「火山..
posted by えみりおん at 18:28

2005年10月30日

蟲師 第2話「瞼の光」

 やはり蟲であるとか、今回の瞳からの液体であるとか、かなりグロいものがあるのですが、それを「ほうら、恐いだろう」という安易なグロテスク表現にせず、エロチシズムに昇華している辺りが、この作品の肝。  1話での近親、今回の闇の中での戯れ。  昭和初期が舞台かと思われますが、その時代が持っていたタブーであるとか、科学の行き届いていない漠然とした不安感の様なものが、見てはいけないもの、見せてはならないもの、という心の奥底にあるエロチシズムへと我々を誘います。  今後..
posted by えみりおん at 04:24

2005年10月30日

蟲師 第1話「緑の座」

 説明台詞が多いわりには全く単調な感じを受けないのは、画面構成の妙。さりげない仕草や、画面の隅から主張してくる緊迫感は、実に見事。  夜、ギンコが厠を探しに家を歩くシーン。何かが横切った、という演出。そして蟲ピンを用意するギンコ。  「へぇ〜え、蟲ピンだ」  ここで普通の演出ですと、この台詞まで顔を出さないものですが、ここでは声を発する前に廉子(れんず)の目を見せてしまう。  ギンコの視点ではなく、廉子の視点でとらえる辺り、非常に面白い。これだけで力関係にメリ..
posted by えみりおん at 02:14
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