2008年03月21日
墓場鬼太郎 第11話「アホな男」
学校も仕事もなんにもないオバケの世界で、のんびり暮らすことにした現世から来た三人。
対してオバケの世界からやってきて、毎日腹をへらしながら金儲けに明け暮れ、それでもケヒヒヒ、と笑いながらそれなりに楽しくやっている鬼太郎とねずみ男。
サブタイの"アホな男"というのは、果たして誰を指すのでしょうか。
この作品、シリーズを通してのビジョンにブレが無く、一話一話だけではなく全体としての纏まりがとても良く、監督の手腕が窺われます。
それはOPにも現れており..
posted by えみりおん at 02:26
2008年03月19日
墓場鬼太郎 第10話「ブリガドーン」
凄い凄い。
セカイ系ってのは、「僕と君(ヒロイン)」の様な極めてミクロな関係から、コミュニティや社会などの中間項をすっ飛ばして、世界の破滅などのマクロな終末に直結する様な作品群を指すそうです。
しかしこの墓場鬼太郎、ブリガドーンという世界規模な破滅招来体のまっただ中で、物置の中で呑気に飯を食うという、この逆セカイ系とでも言うような水木ワールドを描いており、もう最高です。
コンテはゲゲゲの方も手がけた事もあるサトジュン。
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posted by えみりおん at 22:19
2008年03月07日
墓場鬼太郎 第9話「霧の中のジョニー」
面白いな、と感じたのは、背景に「オリンピックを成功させよう」という垂れ幕があり、環境効果音では建設現場のノイズが入っていた事。
1960年代、物価高騰、インフレ、躍起になっている高度成長期。
この辺の形振り構っていられない、がむしゃらな前傾姿勢の光と影を描きつつ、多少の影響は受けつつもマイペースを崩さない妖怪の皆さん達を見るに、やっぱりここにパラダイスが見える訳です。
作画その他、多少力が落ちても、全体的な引き締めを上手く保っているので、各話に極端な..
posted by えみりおん at 10:40
2008年03月02日
墓場鬼太郎 第8話「怪奇一番勝負」
満載なツッコミ所と、思い出した様に出てくるヒューマニズムっぽい台詞とか、水木ワールドだなぁ。
このセンスの最悪なサブタイトルも素敵。
何度も書きますが、褒め言葉ですよ!
ただ今回は作画が気になり。
特に手首が歩き回るというあり得ない嘘を、いかにも本当に歩いている様に見せてくれる動きが欲しかった所です。
少し落ち着いてしまった感があり?
でも方向性ははっきりしているので、安定した、と言えるかも知れません。
抗菌木製まな板(..
posted by えみりおん at 08:01
2008年02月27日
墓場鬼太郎 第7話「人狼と幽霊列車」
水木やニセ鬼太郎との同居など、レギュラーにするのかと思いきや、二人とも見事なまでの意味のない犬死に。
これはしっかりと物語を作らないつもりだな、と解り。
水木氏のマンガは行き当たりばったりが殆どで、起承転結だのドラマツルギーなど、英国の大学ででも教えそうなモンはありません。
(念のために言っておきますが、当然褒め言葉です)
その昔、「悪魔くん」を立ち読みしてて、その衝撃的な最終話に腰を抜かしそうになったのを未だに覚えています。
今まで通り..
posted by えみりおん at 06:05
2008年02月19日
墓場鬼太郎 第6話「水神様」
そのまま恐怖を感じて良いのか、それとも笑って良いのか。
怪奇と呑気のギリギリの境界線で、実に上手いバランスを取っていた墓場鬼太郎でしたが、なんかいきなり普通のコメディになってしまいました。
さあここが笑いどころですよ、とベタに見せる演出。
唐突なスミレちゃんや水着男。
まあある意味この何も考えて無い様な滅茶苦茶な構成は、水木漫画そのものだ、とも言えるのですが(コラ)、今まではそれを実に巧く料理してきた筈。
今回のような作風でしたら、ゲゲゲでも..
posted by えみりおん at 05:38
2008年02月12日
墓場鬼太郎 第5話「ニセ鬼太郎」
クオリティ落ちないなあ。
日本のアニメーションが成熟したお陰で、倫理という物に足を掴まれる事無く物を作れる様になれたのは、本当に嬉しい事です。
寝子にしても、言ってしまえば見栄っ張りな性格が災いした訳ですし、生き返らないと言ったのも、恥をかき、どうせ皆から苛められるから、というネガティブな理由。
でもそれがとても人間臭く、「業」を感じる。
いわゆる「ゲゲゲの鬼太郎」でしたら、もっと倫理的に変えられてしまった事でしょう。..
posted by えみりおん at 19:45
2008年02月02日
墓場鬼太郎 第4話「寝子」
アンニョヌエボさんとフランシス・カネダさん、こんな所でお名前を見ることになろうとは(笑)。
EDへのカッティング予定もあるそうなのでしょうがないとは思いますが、寝子の歌がちょっと。
BE MY BABYとかSugar Baby Love辺りからインスパイアされたメロディとかは良いのですが、しゃくり上げる歌い方や、強引な転調など、結構今風にアレンジされており。
偏執的なまでに作り込まれた「昭和」のぱらいそに、かなりの違和感として入り込んでいます。
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posted by えみりおん at 03:36
2008年02月01日
墓場鬼太郎 第3話「吸血木」
ババア達に袋だたきに遭ったりとか、良いなあこのノリ。
がむしゃらに前に進め、という疲れる上昇志向も、お前ら本当に辛い目に遭ってんのかよ、という癒しブームも、何にも気張ることなく欲望に忠実に動くドーブツみたいな鬼太郎達の前では、アホらしく見えます。
朝は寝床でグーグーグー。
病気も会社も、ついでに金も無い。
学校だって色気づいたから行くだけの話。
ユートピアですねえ。
ゲゲゲの鬼太郎(第1作) 第19話..
posted by えみりおん at 12:14
2008年01月24日
墓場鬼太郎 第2話「夜叉対ドラキュラ四世」
こいつらの行動原理は「腹減った、何か喰いたい」なんですよね。
この辺は水木しげる氏の、ひもじかった戦争などの貧乏体験がずっと尾を引いており。
そして同じく戦地でマラリアと栄養失調で死にかけていた所を、ニューギニアの土人(水木氏は親しみと尊敬をこめてこう呼んでいるそうです)に助けられ、その時間の概念が抜けている様な自然な楽園こそが、今回のような「呑気な」水木ワールドへと繋がっており。
だってさあ、鬼太郎が大金手に入れて大喜びしてる所に、ねずみ男にポカリと横..
posted by えみりおん at 02:56
2008年01月13日
墓場鬼太郎 第1話「鬼太郎誕生」
この様な企画は、とりあえずシリアスにさえしとけばいいや、的な安直なものが多かった為、実はそんなに期待していなかったのですが、意外や良い出来。
この速いテンポは慣れれば気にならなくなるでしょうし、貸本を意識している様な、質の悪いインクを再現した色彩や、原作鬼太郎の持つカオティックニュートラルな立ち位置など、良い感じに再現。
何より嬉しいのは、1期鬼太郎の声優陣が勢揃いな事。
ねずみ男も大塚周夫さんだそうで。
これは往年の名演..
posted by えみりおん at 12:50