…を書こうと思って2004年度アニメのリストを眺めてみたんですが、余りに多すぎて腰が砕けてしまった。
名作と言われているものでも見ていない作品が山とあり、とても総論なんて書けないな、と断念。
なので今回は、今期特に目立った深夜UHF局原作付き萌えアニメについて少しお話したいと思います。
その構造的には、テレ東チェックにより離れた制作側が表現制限のほぼ無いUHF局にて、男性オタク向けに萌えや性表現を売りにした作品を怒濤のごとく出したというもの。
趣味になら散財を惜しまないオタク向けが故、マーチャンダイジングよりもひたすらDVDの販売に焦点を合わせ、しかも1クール制作体制を基本として商品の回転を重視し、これによりDVD売り上げ業績を上げて行きました。
本放送はDVDの宣伝という位置づけにした訳です。
しかし当然弊害もあるわけで、というか視聴者や業界にとっては殆どが害でしかなかったのですが、まずその殆どが原作付き、しかも連載途中で原作ファンがまだ生きているマンガの青田刈り合戦となりました。
当然の事ながら、終了していない話を1クールで終わらせる事になるので、尻切れトンボとなるのが殆どで、別解釈にして終了させた作品もありますが、どうしても苦し紛れが目立ちました。
また、アニメが終わればその作品自体も終了したものと認識され、原作を取り巻くモチベーションまで落ちて行くという悪循環。こうやってどんどん様々な作品が「消費」されて行き、業界全体がやせ細って行きます。
この状況を断ち切るには、我々視聴者がつまらないものをつまらないとしっかり認識し、シャレや酔狂でDVDやグッズを買わない、という事が必要です。
よく見られるのは、酷い酷いと良いながら、でもダレダレちゃん萌えだからつい買っちゃった、えへへ、俺ってダメな奴、という構図。
間違っても良質の作品を観られるチャンスを、自分の手で潰さない事です。
萌えアニメというのは基本的に快楽原則に沿って作られます。誰それちゃんの変身シーンがエッチだった、だれ子ちゃんのこのシーンが可愛かった、シーンが、シーンが。
木を見て森を見ず。シーンだけ見て作品を観ない。
アニメというのは曲がりなりにも、映画と同じく総合芸術の筈です。芸術と言う言葉を使うと顔をしかめる人もいるかも知れませんが、人の心を動かし、感動させてくれるものは、全て芸術と言って良いと思います。
マンガでも、歌謡曲でも、それこそ子供のお遊戯発表会でも。
制作に携わっている方々はその誇りを持ち、我々視聴者は良い作品を願う。
その気持ちを持ち続けるだけでも、例え深夜UHF局原作付き萌えアニメでも、良作は必ず増えると信じています。
posted by えみりおん at 12:05
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アニメ雑感
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