紅 第３話「偽者の顔」

　今回は素晴らしい。

　別段これと言った大きな事件も無いまま、真九郎を囲む三人の女の子達と交わされる会話の中、彼女達の置かれた境遇、性格、そして関係が楽しみながら理解出来る１話。

　大和撫子という感じの夕乃ですが結構策士。
　その計算ずくの動きで真九郎を絡め取ろうとする様を「いやらしい」だの「不潔」だのと潔癖性っぽい発言でツンる銀子。

　その銀子も、情報屋という職業ならば男と女の情事なんかモニター越しだろうけど散々目にして来たでしょうに。
　いや、だからこそ幼馴染みの真九郎を神聖視して、王子様の様に潔癖であって欲しい、と勝手に願っているのかも知れません。

　その銀子がデレるシーンがまた可愛い。

　真九郎の前でメガネ（ＡＴフィールド）を外してだら〜っとする素の銀子。
　ちょっと良い雰囲気になっていわゆる「ぽややや〜ん」状態になってるのでしょう彼女に、「眠いの？」とか朴念仁っぷりを発揮する真九郎ですが、「うん…今日は（心が）あったかいよね」と呟いて、無防備な自分を晒す。

　いいね、いいね、こーゆーの。

　夕乃と紫、そして真九郎が鉢合わせるシーンでの喧々囂々は、プレスコならではのテンポの良さ。

　そして電車のシーンで軽く入るスパイスも良く、紫が持つ恐いモノ知らずの真っ直ぐさと、微妙に面倒な事を避けて「大人」になった気になっている真九郎との対比がくっきりと浮かび上がり。

　そして子供相手にムキになって口論している真九郎を「諫める」お婆さん。
　彼女は、最初に彼を諫めた後、終始紫に微笑みかけ、真九郎とは一切目を合わせませんでした。

　彼女なりの若い者に対する教育、そしてさすがにその空気を感じてバツが悪くなる真九郎。

　紅香に命令してもらうのが嬉しいらしく、何かと言うと指示を仰ごうと連絡を取りたがる犬っぷりを発揮する犬塚弥生さんも何とも可愛い。

　この１話の中に何と多くのドラマが詰まっている事か。

　今回の様な絶妙なバランスで今後も是非！



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