一見フシギちゃんにしか見えない乃絵ですが、他のキャラも含めて行動に一貫性があってとても良い感じ。
飛べない鶏は嫌い、偽物の色は嫌い、嘘は嫌い。
嘘をついた眞一郎に、合成着色料のウインナーを喰わせようとしていた乃絵の行動は、飛べない鶏の小屋に「雷轟丸の墓」と張り付けたアレと同じ。
このストレートで幼稚な当てつけ、そして子供独特の潔癖性が、何とも可愛らしい。
また比呂美も、海辺で自分のマフラーを眞一郎にかけてあげたりと、「堪え忍んで尽くす女の子」を見せたかと思ったら、自分の部屋で思い通りの展開にならなかった途端、いきなりふて腐れたり。
この様なマイナス要因を人間くさい可愛らしさに見せられる構成、演出こそ、今の凡百の萌えアニメに欠けている部分です。
そしてこのアニメで頻出するアングル。
眞一郎視点で真正面下から主に乃絵が覗き込むカット。
©2008 true tears製作委員会
キャラの魅力が記号止まりにならず、この覗き込んだ屈託のない乃絵の表情に、「俺に一体何を求めてるんだ、こいつは」という眞一郎の戸惑いが強く感じられ、想像力とドラマが生まれます。
アタリだなあ、このアニメ。
なだけに、ドロドロ展開だけは避けて欲しいところです!
【送料無料選択可!】true tears オリジナルサウンドトラック / アニメサントラ
> 眞一郎視点で
この作品は、基本的に彼の一人称視点でストーリが進んでゆき(彼がその場にいない場面もあるが、後で彼が知り得る範囲しか描いていない)、彼以外のモノローグは入っていなかったのですが、今回、比呂美の部屋の二度目のシーンで彼女の心中の愚痴を何度も繰り返したのは残念でした。視聴者の読解力を信じて、一人称視点を貫いてほしかった。
> ウインナーを喰わせようとしていた乃絵
当初は比呂美に喰わせようとして作り、地べたへ、眞一郎へと標的を変えてゆく流れは笑いましたが、逆にここはもう少し動機についての説明があってもよかった。比呂美パートは説明過剰、乃絵パートは説明不足、愛パートは唐突で、ストーリ展開のバランスが悪い感じです。
本来の脚本通りではなく、製作進行に穴が空いて、繋いで埋めたらああなった?というような印象なのです。
リフレインは、今までずっと堅実に来てたのに、何でわざわざここでトンガった演出する必要あるんだろう、とか不思議に思いました。
まあ、ただやってみたかっただけかも知れませんが。
ウインナーは勘違いしてました。当初の標的は比呂美だったんですね。
いかんいかん、反省です。
アイちゃんの挟み込みも、次週へ繋げる為とは言え確かに唐突ですよね。
今一番気になるのはアイちゃんの動向。
どのキャラも好きなんで、三代吉への裏切りみたいな展開にだけはなって欲しくないかなぁ、と。