
ううう…正直中盤までかなり期待していた作品だったのですが…。
10年後、みんな公園に集まって来ますが、彼らは殆ど同じ場所に座っていません。
金朋に呼び止められるまで星野はずっとみんなと大きく距離を取っていた様ですし、同じ場所に集まったはものの、みんなの立ち位置や心はバラバラ。
若月兄妹も、どうやら10年間ずっと逃げていたみたいで、という事は戸籍も中途半端でしょうし、そうなるとあの二人にカタギの生活が出来ていたとは到底思えません。
体も売ったかも知れません。
ヤクザまがいの事もしていたかも知れません。
ラストシーンは、まるで旧友に逢うのに躊躇う同窓会へ隠れて来て、周囲にビクビクしながら過去の想い出に浸っている…みたいな。
そんな気持ちの悪い幕切れ…。
「時は人を変えてしまう」というテーマは、ある意味貫いていました。
しかし…これでは「楽しかった昔には二度と戻れない」という別のメッセージがより高く浮き出してしまい…。
一番がっくり来たのは、主人公とヒロインが傷の舐め合いの様な繋がりのままで、結ばれてしまった事。
果たしてこの二人の間に「愛」はあったのでしょうか…。
甚だ疑問です。
しかも唐突に突き付けられた佐菜のイジメ描写のせいで、彼が劇中で見せてきたあの爽やかそうな笑顔は、処世術として身に付いてしまった人に媚び諂う歪んだソレに、一瞬にして変わってしまいました。
最初にこのアニメのOPを見た時、サビでの弾けるような学祭ライブシーンに魅せられ、これがこのアニメのラストシーンになるのだろう、と信じていただけに、何とも残念です。
後味の悪い作品でした…。
〈図説〉自殺全書