本筋がありそれをサポートする形ではなく、全キャラが同時に絡み合いながら進んで行くテクニカルなシナリオは、賞賛に値します。
規律と礼節を重んじる成明高校と、自由と自主性で剣道を楽しむ室江高校。
その厳しさに次々と部員が辞めて行く世明と、「楽しいからやろぅよぉ〜」とじゃれ合う室江。
テクニカルな群像劇であると同時に、この様な非常に解りやすい対比で視聴者にストレスを与えない、この作りは、映像作品というのを知り尽くしている感があり、とても頼もしい。
世明で放り捨てられていた竹刀。
彼らにとってそれはただの棒っきれに過ぎず、叱られるのが恐いから片付ける。
それだけ。
しかし一見ふざけているとしか見えない室江のキリノは、自分からバンブーブレードを片付けに行きます。
剣道が好きだから。
ついでに汗臭い防具も好きだから(笑)。
世明に無いものが、このチャランポランな高校にある。
世明の顧問、林は、この合同練習で何かを掴む事でしょう。
そして、好きでも無いのに成り行きで入ってしまった芽衣ちゃんのお相手は、我らがタマちゃん!
タマちゃん、芽衣ちゃんに剣道の楽しさを教えてあげてね!
見ていると気持ちが爽やかになってくるアニメです。
初心者のための剣道講座
東を拉致して画面の奥へ走ってゆく後ろ姿のデフォルメ作画では、足の動きとズームアウト速度のチグハグさが笑えました。
構成と脚本の巧みさに定評のある本作ですが、ここ数回はハイテンションシーンで動画としての面白さを引き出す演出・絵コンテが素晴らしいです。個々をシーンを止めて見ると、作画がヘロヘロの箇所も多いのですが、それが気にならないほど動画として面白い。こういう感触は前期の「ぽてまよ」以来です。
ご指摘の通りトータルで見ると作画力に不安はありますが、カット割りやキャラのポージングなどで十分に補えています。
しかし、だからなのか肝心の剣道の試合シーンは微妙に避けている感があり、そこだけがちょっと不満でしょうか。