スケッチブック 〜full color's〜 第２話「いつもの風景」

　日の光を見事に描ききった美術の仕事が素晴らしい。

　朝の真横から叩き付ける様な光はハレーションが見えるくらい強烈。そして夕方の赤みを帯びた日の光。
　キャラクターに付ける影にはコントラストがくっきりと浮き出ていて、背景と混じり合うと光の粒子まで見えそう。
　
　一言「暑い」という台詞があっただけで、皆が暑がっている描写は殆ど無かったのにも関わらず、画面からは猛烈な暑さが伝わって来る。

　映像の見せ方が違います。

　しかし、１話と比べると若干作画力は落ちており、まあさすがに仕方ないでしょうか。

　ラストシーンで空ちゃんがミケを見つけてしゃがみ込む時には、スカートのお尻を膝の後ろに挿むアクションがちゃんのあるのですが、木陰ちゃんの同じカットではそのアクションが無い上に、スカートが魔法の如く自動的に膝の後ろに挟み込まれており。

　「さりげない日常を描く」というのは、この様な嘘をつかないという事でもあり。

　ストーリーは「いつもと違う事」を楽しむ、というテーマに沿っていましたが、ザリガニや石膏像など、無理矢理突っ込んだ風のエピソードは少し悲しかったか。

　しかし、「いつもと違う」事を楽しめるのは、「いつも」がしっかりとそこに存在していて、いつでもそこに帰ることが出来る、という安心があるから。
　その平和、安心の象徴である「家」を出る所から「冒険」が始まり、いつもの「家」に帰る、という構成はとても良い感じでした。

　今期は今のところ、このアニメしか期待出来そうなのが無いので、是非とも頑張って頂きたい所です。