BACCANO! 第５話「ジャグジー・スプロットは泣いて怯えて蛮勇を奪う」

　このアニメの特殊な構成を掴んでからは、俄然面白くなってきました。

　当初、不死の人々を描くらしい事を知って、まともな話が展開するのかいな、と思っており。
　不死というのは、ぶっちゃけ「無敵」な訳で、そんなのがドラマの中で動いたらバランスが滅茶苦茶になってしまいます。

　手塚治虫「火の鳥」、萩尾望都「ポーの一族」など、不死をテーマにした傑作はありますが、殆どは扱いきれずに終わってしまうか、死んでも死なない緊張感のないバトルが延々と繰り広げられるか、です。

　しかし、生に執着する老人達、命をもてあそぶ殺人狂ラッド、そして泣き虫のジャグジー達を見ていると、この作品なら「生きる事と死ぬ事の境界」を、描けるのではないか、と信じたくなります。

　とことん臆病で泣き虫だけれど、周囲から猛烈な人望を得ているらしいジャグジーを見ると、彼をもっと知りたい、という気にさせられ。

　そして「死」のドラマが蔓延する中、ひときわ異彩を放っているのが、アイザックとミリア。

　二人はまあ、はっきり言って馬鹿ですな。

　しかし、その底抜けに前向きな性格。そして「生きること」を何よりも楽しんでいる二人は、「生命の象徴」でもあります。

　死無くして生は語れず。
　生無くして死は語れず。

　そのアイザックが撃たれちゃったぁーっ！

　ぬおお、面白れえよぉ。
　良い引き方をしますねえ。

　５話まで来てもまだ安定している作りに、期待しても良いですね？