ぽてまよ 第３話「聖夜の奇跡／それは大晦日 突然に」

　ワイルド７というマンガがあり。
　バイクに乗ったガラの悪い連中が、人を撃ち殺しまくる、バイオレンスだけの下品なマンガ。

　表面的にはそんなイメージで、読まず嫌いでした。

　でもある日、何気に手にとってみたら、これがベタベタの浪花節なのよ。
　鈍感で女の子には弱いヒバちゃん。しかし曲がった事が大嫌いで、友の危機には命を張り、その為には上官の命令無視なんて日常茶飯事。

　根底にあるのは日本人の大好きな人情ドラマ。
　あとはもう最終巻まで一気読みでしたね。

　ぽてまよも全く同じ。
　バイオレンスを萌えに置き換えただけの話。

　死んだ素直ママの側から離れたく無かったのでしょうか、素直は素直パパと共に海外へ出る事を頑なに拒んでいた様です。
　それだけでなく、若干パパを憎んでいる様な、そんな感情も見え隠れしており、ママが死んだ前後に色々と深いドラマがあっただろう事をにおわせます。

　しかし、その素直が一人で暮らしている家は立派で、生活の不自由はさせていない様です。
　また、みかんちゃんに学芸会のエピソードを語る素直パパからは、子供の行事にはしっかり顔を出していた事が解りますし、何よりあの頑固者っぽいみかんパパと肩を組んでカラオケを歌っているシーンで、根は絶対に悪い奴じゃない、とはっきり解ります。

　しかし、素直は素直になれません。
　その心を解きほぐしてくれるのは、みかんちゃんなのかも。

　で、そのみかんちゃんですが、ムダ毛だの脇毛だの、萌えアニメとは思えないひでえツッコミを喰らわされるわ、全編通してヒロインとは思えない滅茶苦茶な扱いを受けており。

　でもこれで良いんです。

　まず第一に、逞しい家庭環境。更に激しい妄想癖で繰り返し鼻血大噴射しても次のシーンではピンピンしている描写などで、ギャグとは言えその打たれ強さは裏打ちされてます。
　そして、この様な酷い扱いを受けても、長い目で見て彼女が不幸せになるフラグは全く見えていませんから、視聴者は安心して笑い飛ばせます。

　しかし、不幸フラグの立っている、ぐちゅ子には幸せを。
　心の隙間が出来てしまった素直にも、同じく。

　ナレーションが何故永遠の１７歳さんなんだろう、とか頭を傾げていたのですが、この回ではっきりしました。

天国のお母さんなんですね。

　あのほんわかとした天の声を聞くと、決して猛烈な未練を残したまま不幸せに亡くなった、という訳では無さそうです。

　萌えと泣かせのバランスが非常に素晴らしい、まさに日本人の為の萌えアニメ。

　お勧めです。