
小悪党だったテナルディエも、ここに来て肝の据わった大物っぷりを披露。
憎たらしいまでの悪知恵を振りまき、机に登って説くはアナーキーな大演説。
愛と道徳に生きるジャンと、見事に対立する悪党に育ちました。
それを聞くマリウスの心には、テナルディエの演説が弱者の論理として聞こえ、ABCの友の主張と微妙に重なる部分を見出す事になるのでしょう。
さあ、ドラマが渦巻いてまいりました。
マリウスとテナルディエの部屋を行き来して、真実を知るネズミの目。
もう鏡があるというだけで喜び、同時にそこに映った自分の姿を見て恥じるエポニーヌ。
小さな小道具を実に上手く使う演出。
そして教会への寄付を済ませ、頭を上げたジャンの越しにパンダウンして来るアゼルマ。
スットと消えるBGMとの相乗効果で、このシーンにはドキッとさせられました。
作画は結構辛い事になっていましたが、いえいえ十分楽しめました。