電脳コイル 第７話「出動!!コイル探偵局」

　背中を引っかけて動けなくなったイサコを助け、「誰だって他人の力が必要なのよ」と語るヤサコ。さすがのイサコも説得力のある言葉を返せませんでした。

　その仕返し、とばかりにイサコはイリーガルについての都市伝説を語ります。恐がらせるのが目的なので誇張はしているでしょうが、かなり真実に近い所にある筈です。
　特にイリーガルは自分が何者か忘れてしまった、と語った時の表情から、それは自身の事ではないのかと予想されますし、廃棄された時計のメタファーは時を止められた者、という意味もあるのでしょうか。

　そしてまたもや京子が大ピンチ。

　しかしこの子も単なるトラブルメーカーではなく、そのトラブルによりイサコとヤサコとを接近させる重要や役割を担っています。

　京子の危機に颯爽と現れるイサコは格好良く、そしてここでイサコは初めて笑顔を見せました。
　自分のせいで大けがでもされちゃたまらん、という義務感だけで助けたいのなら、イラついて叫んだりするでしょうし、他に強引な方法はいくらでも取れた筈です。

　しかし、イサコは京子に微笑みかけました。
　安心させる為に。

「一人にしてごめんね」

　ヤサコの言葉に顔を伏せるイサコ。
　この言葉をかけてくれる人を、イサコは求めていたのでしょう。

　「役立たず」など使わず、今まで通り一人でやれば効率は全然良い筈です。なのに何故イサコは子分など使う気になったのか。

　それが答えなのでしょう。

　京子に助けを呼ぶ二人のポーズが全く一緒だったり、ロックの解除法を京子に伝えるやり方がどっちもどっちだったり、反発しあっているものの中身は相当似通っている、というコミカルな描写。

　シルエットでニッカリ笑う京子とか、問答無用で放つフミエのメガビーとか、シンプルだけど、だからこそ誰にも笑えるギャグ、というのはとても難しく高度なものです。

　そして今回もヤサコをアンテナにして身体をもてあそぶイサコやら、おいおい、背中の開いた服着させてたのはコレの為ですか！　とかＨシーンも満載。

　謎と冒険、笑いと涙、スリルとエロス。

　素晴らしくバランスの取れたエンターテイメント作品です。

Comments

作品につられてちょっと戻ってきました。

確かに頑張ってるんだけど、まだまだ甘さが残るのね。
例えば京子救出シーンをヤサコが目撃していないってのは、
その後の夕陽のシーンの説得性にマイナス要因。

サブタイトルはほとんど意味無いし。
ハラケンやデンスケは一体どーしたんだとか。
今回ハラケン出せないってのはシリーズ構成手抜き。

すけべーさだけは毎度感服致します。

Posted by MUK at 2007年06月24日 22:44

　むわ、すっげえ久しぶりですね。
　つか今調べたら２年ぶり。相変わらずアニメ観ている様で嬉しく思います。

　手放しでバンザイ状態になってしまっておりますが、仰るとおり微妙に微妙な所はありますね。

　何分にも語る事が多すぎるので、今回はコレを、次回はアレを間引かなければ、と毎回四苦八苦している感じはします。
　また、「縦割り行政」とか飛び出す口で「守秘義務」が解らなかったり、とかどうなのかなぁ、と。

　でもエロさだけは毎度感服いたします。

Posted by えみりおん at 2007年06月25日 00:16