
冒頭、トイレのシーンは圧巻。
密室での衝突。二対一、しかも相手はあの榛名。
三橋のテンパり具合や、榛名達の微妙な性格が、このトイレという密室による緊張感でバリバリ伝わってきます。
特に下半身全部降ろした完全無防備状態、更に神経性の下痢の真っ最中だというのに、三橋へ適切なフォローを入れる、栄口の変な肝の据わり具合。
あの軽い声とのギャップも相まって、ただ者では無い、と感じさせてくれます。
そしてファンファーレと共に上がる緞帳(どんちょう)。
これです。この「儀式」をしっかり描いてくれる演出。
雑談している人もいれば、「今年も始まったな」と顔を見合わせてニカッとする人、そしてこの「儀式」に圧倒されている三橋。
我々もアニメ視聴をする前には、まずはオープニングアニメを観る事で「さあ、今回はどんな展開になるんだろう」と心の整理をし、自らを高ぶり上げる「儀式」をします。
このカットのレイアウトがどうのとか、このシーンでの演技がどうの、みたいな狭義の演出ではなく、もっと広義での演出です。
そして次回は「応援団」。
今までですと野球マンガというのは試合こそが全て、という力みがありましたが、この様に多角的に、そして広く捉えた構成は、新たな発見や魅力に溢れて来ます。
素敵な作品です。