電脳コイル 第６話「赤いオートマトン」

　今週も面白かった。

　前回の一件でハラケンを警戒するフミエ。ちょっと行き過ぎの言動をいさめるヤサコでしたが、その理由を聞いて何も言えなくなりました。
　フミエと出逢ったのも、デンスケの命を助けて貰ったのが切っ掛けでした。

　当初、フミエがおやじの事を「しもべ」と呼んでいたのがずっと引っかかっていたのですが、ペットとして可愛がってまた死んでしまったらやりきれない、という思いだったんですね。
　この辺、おやじを「しもべ」ではなく「ペット、友達」として見つめ直すお話が用意されているフラグなのでしょう。
　…まあ、あのおやじを可愛がる姿、というのも想像だにするとなかなかアレですが（笑）。

　今回は伏線の張り方が絶妙で、ヤサコ達に付いてきた京子がサッチーに襲われて転ぶ場所は道路の真ん中。
　大通りのショットでは絶えず画面を車に横切らせ、更に騒音を非常に大きく鳴らして、これも不安感を煽ってくれます。
　そしてカンナが交通事故で死んだ中津交差点で行方不明になった京子。

　ハラケンがその過去を話す場所が、広い車道と巨大なマンションの片隅に申し訳程度にある狭い公園というのも、実に明示的です。

　このアニメで嬉しいのは、教育的、道徳的、危ない事を、子供達の視点で自発的にドラマの中で学べる作りになっている事です。

　あれしちゃいけません、これしちゃいけません、では反発するだけでしょうし、何よりも息苦しくて子供が伸び伸びと育つ事を阻害すらしてしまうでしょう。

　勿論、本当に危険な事は今回の京子の様に、しっかりと子供達の心に植え付ける必要があります。
　しかしそれさえ踏まえた上ならば、サッチーの生態研究で学ぶ楽しさを知り、この町の謎に迫り、イサコとは派手な電脳バトルを繰り広げたり、わくわくする冒険はいくらでも出来るんだよ、という提示。

　今の子供達は遊び場所が無くなって可哀想、という言葉も、コイル探偵局の前では、はてさて、どうなんでしょうか？

Comments

なんとも懐かしい昭和の感じが漂いますね。
くすんだ色遣い、今風とは隔絶したキャラデザイン。確信犯的にやっているとしか思えない。

ＥＤのキャスト表で「京子」だけが漢字なのが気になっています。どういう意味があるのだろう。

Posted by ショートカット萌えなんだ at 2007年06月17日 16:46

ショートカット萌えなんだ さん、ご無沙汰しております。


>くすんだ色遣い、今風とは隔絶したキャラデザイ
>ン。確信犯的にやっているとしか思えない。

　ＮＨＫは平気で「ジブリみたいに作ってください」「宮崎アニメそっくりに」とか言ってくるらしい、というのはどこかで聞きましたが、当初露骨だなあ、と苦笑いしてました。
　しかし、いざ始まってみますと、そんな事どうでも良くなってしまいましたよ。


>ＥＤのキャスト表で「京子」だけが漢字なのが気に
>なっています。どういう意味があるのだろう。

　同じくです。
　全部は京子の夢だった、とかってネタが出そうですね（笑）。

Posted by えみりおん at 2007年06月17日 17:58