実に詩的な一話。
今まで、行く末はギャングしかなかろう、という酷い描写しかなかったライリーが、素晴らしい白人の先生と出会った事でその人生を変えたかも知れないというお話。
こう書くと聖人君子の様な人を思い浮かべるかも知れませんが、湾岸戦争に行ったという噂、ライリーを逃がすために躊躇無くパトカーのタイヤを撃ち「僕も警官は苦手なんだよ」と語る描写、そして何より不自然なまでに優しすぎる物腰から、相当な地獄をくぐり抜けてきた人間だと解ります。
対する主人公のヒューイは、ブラックチャンネルだけを観るという実験で、いつものクールなキレはどこへやら。
黒人漬けの2週間でボロボロのヘロヘロ、オチまでじいちゃんに持って行かれて良いトコ無し(笑)。
そう言う意味では、人生の深みを持った絵描きの先生やじいちゃんには、まだまだ敵わない、という見方も出来ますか。
黒人と白人の、という垣根を越えた、何か美しいモノを魅せてくれたお話でした。