小道具を使うというのはお話作りとして基本なのですが、意外や最近のアニメではこの作品の様に綺麗に使いこなしている例はなかなか見られません。
コゼットがいつも抱いている
元々寡黙なジャンと、その悲しい育ちにより、はしゃぐことをあまりしないコゼットとの間には、思ったより会話は多くありません。
「少女コゼット」と副題は付いていますが、主人公はジャン。なのでモノローグの殆どはジャンのもので、コゼットが心の内をモノローグで喋る事は非常に少なくなっています。
そこにカトリーヌです。
「あなたも一緒に女子学校に通いたいの?」
コゼットは常にカトリーヌに語りかける事で、その心の内を見せてくれるのです。
実に上手い小道具の使い方。
そして「貴方は恩知らずですな」という心に響く名台詞もあり。
世界の名作と謳われる物語です。