「ゲルダとカイの部屋の窓が、板で渡したベランダで繋がっているのは、それの何よりの証だった」
この台詞は先週のかけっこと同じ描き方をしてくれれば蛇足なだけですし、「おやまあ走ってきたのかい、そんなに息を切らして」も、おばあさん視点でなく、その前に必死で走っているカットまで視聴者に見せている訳で、これも必要のない台詞です。
多くてもその分密度が高ければ良いんですが、言わなくても良い事や無駄なだけの台詞までペラペラ喋ってしまっているのがどうにも痛い。
NHKの子供向け、という事で説明台詞を余儀なくされているのだとしたら、同じ監督の児童向け作品である「ガンバの冒険」を見てもらいたいものです。
「尻尾を立てろー!」この一言だけで、説明はいらない。それこそが児童文学です。
また、背景の引きとマッチせずにムーンウォークする人々や、あり得ないスピードでカイの手元で放物線を描くルーペとか、また一種出崎演出でのお約束美学でもある、雪割りヨモギを探しにドアを蹴破り飛び出すゲルダのスローカットとか、どうにも作画力が弱すぎです。
雪が落ちるスピードがカット毎に違うのも、神経が行き届いておりません。
スタッフの力不足、というのがこんなに辛いとは。
ちょっとね…、痛々しくて見てられません。
残念ながら視聴断念。