Saint October(セイントオクトーバー) 第１３話「ロリ慟哭！悩んで迷って、超乙女!!」

　全体的に良い感じなんですが、肝心な所のツメが甘いなぁ〜。

　小十乃があんなになってしまった全ての元凶であるユアンに対するヨシュアの心理が、全く描かれていません。
　それどころか、先週ユアン本人の口から語られた本性を忘れてしまったかの如く、彼に迎合している描写さえあります。
　どうもこれ、ヨシュアとユアンとの同居に無理を感じたシナリオが、避けて通ってるんじゃないか、という気が…。

　また、小十乃を復活させる為のユアンの台詞ですが、どう贔屓目に見ても詭弁。「じゃ、エルロックは？」と聞き返されたら、簡単に崩れてしまいます。
　そのエルロック消滅を自ら確認したユアンが、ここに来てそれを黙っている所を見、そして今回のこの詭弁を聴くに、こいつクルツより黒いぞ、と。
　すげえ、やるな、とか一瞬思ったんですが、その後の言動とか見ると本当に小十乃を助けようとしている様にも見え。
　ヨシュアもヨシュアで、「私もですよ」とか日和ってんじゃねーよ（笑）。

　ミスリードするならするで、はっきりとして欲しい。
　今の状態ですと言動不一致の気持ち悪さだけしか伝わって来ません。

　また、「今の小十乃なら出来る」という台詞も、小十乃が自ら一人で障害を乗り越えたのなら納得出来るのですが、あれはユアンの詭弁に乗せられた状態であり、百歩譲ってあれが詭弁でないとしても、結局は人に与えられた言葉で安心したに過ぎません。

　…詰めが甘いです。

　と、愚痴をこぼしてしまいましたが、良い所も勿論。

　クルツは久々に見る完璧な悪。
　「正義とか悪とかは相対的なもので絶対的な正義や悪なんか…」という青臭い言葉なんぞすっ飛ぶくらいの、芯からの悪です。

　ソフィアの心を利用して、これ見よがしにジャッジメントの楯として使い、同時にジャッジメントの心にトラウマを植え付ける剣とする。
　その上今回はそんなソフィアを慕っていたカフカの心を力で押さえ込み、ジャッジメントを挑発。
　更にジャッジメントにエルロックを殺させる様に仕向け、その妹をジャッジメントへの刺客として向かわせる。

　ここまで下劣を極めてくれると、逆に清々しいほどの悪です。

　また前回に引き続き作画が良く、バトルシーンにおけるカフカの巨大感、そしてロリ達の躍動感も抜群。

　惜しむらくは、チグハグなキャラクターの言動ですね…。

　しっかりと腰を据えて作れば、シムーン並のカルトな作品になるのではないかと思われるのですが、現段階ではそこまで届いていない様です。

　好きな作品なので頑張って欲しいところ！

Comments

　どうもこんばんはです。

　仰るように、たしかにエルロックはどうなんだって気はしますが、それを言わないのもまた小十乃に余計な不安を与えない（知らぬが仏状態）って事なんでしょうかね。
　目の前で起こった事だけを受け入れてもらうというか（例えば、今私がこうしている内にも何人の人間が亡くなっているはずですが、その大多数は私は知る由もありません）。

＞ここまで下劣を極めてくれると、逆に清々しいほどの悪です。

　彼をボコボコにしても何の良心の呵責を覚えなくて済むくらいの巨悪ですね。
　スキのない彼をどう追い込むのかが楽しみです。

　それでは。

Posted by サトシアキラ at 2007年03月30日 21:49

サトシアキラさんこんにちは。
元気に爆走されてますでしょうか。自転車で。

「慈愛の石版」と自らが言っているので、善か悪かと言われれば間違いなく善なんでしょうが、ちょっとユアンくんの言動がフラフラしているので、心許ない気が…（笑）。

>彼をボコボコにしても何の良心の呵責を覚えなくて済むくらいの巨悪ですね。

ですよね。やはり悪を倒してスカッとする、というのがエンターテイメントの基本ですし。
最後にはザックリ逝ってもらって（笑）、ハッピーエンドを期待してます。

Posted by えみりおん at 2007年03月31日 18:40