がくえんゆーとぴあ まなびストレート！ 第１２話「桜色の未来たち」

　素晴らしかったシーンと、これはどうかと思ったシーンを挙げます。

　まず素晴らしかったシーン。
　みんなと離ればなれになる事にまだ不安を抱きつつ、空港を発とうとした時に現れたまなび達。
　彼女達は何も言わず厳しい顔つきで、ぐっ、と握りこぶしをみかんちゃんに突き出す。

まっすぐＧＯ！

　べたべたと「頑張ってね」などの言葉は交わさず、みかんちゃんの行く道はこっちじゃないよ、と突き放すみんな。
　これ以上無い友情をそこに見たみかんちゃんは、そのまま振り向き、まっすぐ前に歩き出し、そしてそれを見届けたみんなも「さよなら」も告げずにそのままくるりとそれぞれの道を歩き出します。

　「ジョジョの奇妙な冒険」第三部のラストカットを彷彿させる名シーンでした。

　で、これはどうか、と思ったのは最後のＯＰ（ＥＤ）。

　１話からのＯＰは、まず間違いなくこのエンディングに使う予定で作られたのでしょう。
　しかし、そこで言い訳がましく「１日で消えるから」などの台詞を入れざるを得なかったのは恐らく諸事情の為。

　しかし、あそこで台詞が入るとあれは現実になってしまうのです。
　彼女達があんなに愛していた学舎にスプレーで落書きをする、というありえない現実に。

あれはイメージカットの筈。

　今までのＯＰは、閉塞感溢れる停滞した学校を、破天荒な彼女達が新しい色で染め上げて行く、というイメージ。
　そして最終話で再び「自分たちは確かにここにいたんだ」という想いを、愛した学舎に吹き付けて残す、というイメージ。

　どちらも色彩を極端に落としたり、ライトの上にみかんちゃんを座らせたりして「これはイメージ映像ですよ」とはっきり宣言していますし、ラストカットにて、その色彩のままキャラクター達が去って行く描写も同じ。

　それが現実と空想の区別のつかない人達のお陰で、あの言い訳がましい台詞を入れなければならず、当初から考えられていたラストシーンをぶち壊しにしなければならなかったのではないでしょうか…？

　本編は先週で終わりましたし、今回はいわゆるエピローグ。

　大団円だった本編。
　そしてお別れはちょっぴり悲しく切ないけれど、まなび達や聖桜の後輩達にはキラキラでワクワクの桜色の未来が待っている、というエピローグ。

　素敵な余韻を残してくれた最終話でした。

Comments

失礼します!!RAY=OUTのK.K.と申します。
たびたびＴＢいただきまして
ありがとうございました!!

終わってしまいましたね、
すっごくステキな作品になってたと思います。
まぁ自分はかなり好きなので
少し盲目的になっちゃってますが
それを差し引いてもなにか感じるもののある
作品なんじゃないかと思います。

また、ＯＰのスプレー演出に関しては
まったくその通りだと思います。
あの消えるスプレーという台詞は
当初はなかったんじゃないかなぁ〜
と、思います。どう考えてもイメージ。
素晴らしい演出だと思いましたが、
結果はちょっと勿体無い感じですね。

でも１クールにコレだけ詰め込んで
本当にステキな作品だと思いました。

では長文失礼しました。

Posted by K.K. at 2007年03月27日 19:21

K.K. さん、こんにちは。

「現実と空想の区別のつかない人達」云々は、私情が入っている上に憶測の域を出ないので、ちょいと書きすぎかな、とか思っている今日この頃（笑）。
でも、あの台詞はどう考えても邪魔ですよね。

当初、主役であるまなびが殆ど活躍しないのをもどかしく感じていましたが、みかんの背中を押す役目だったのだ、と気付いてからは、安心して観られるようになりました。

何かとトラブルや失敗の多かったUFOテーブルでしたが、やっと「代表作」と言える作品が出来たのではないでしょうか。

これから更なる発展を期待したい所ですね。

Posted by えみりおん at 2007年03月27日 21:17

初めまして、こんばんは。

私も、このアニメのお話は、みかんが帰国したときにみんなが待っていたという所で綺麗に終わっていて、最後の落書きシーンはあくまでイメージとして追加されているのが本来であるような気がします。

なのに、あのセリフのせいで、逆に変に現実に引き戻された気がしてちょっともったいなかったですね。
現実になっちゃったら、一日で消えるスプレーでもダメですよ（笑

と、それはおいておいて、演出も見事でしたし、見終わった後にしばらく何とも言えない余韻に浸れた素晴らしいアニメでしたね。

ではでは、失礼いたします。

Posted by 馬鹿侍 at 2007年03月27日 23:07

良い最終回だった。
みかんの旅立ちを、無言のまっすぐＧＯ(あるいは4話の勝利のポーズ？)で送り出す４人と、背中を向けて歩みだし泣きそうな表情から笑顔に変わるみかん。ここで終っても十分満足した。というか、そこで切って後日談付きスタッフロールに繋げたほうがすっきりする。機内シーンや帰国＋ＯＰシーンは、蛇足に感じた。

ＯＰシーンは、聖桜が廃校または全面改装となり旧校舎取り壊しの前日という設定なら、イメージではなく現実としてもありかな。もちろん消えないスプレーの方向で。後半のストーリー進行の悪さや、ついに使われることのなかったＰＶ４の廃墟映像を見ると、途中でメインストーリーの方向を変えた気がしてならない。

本作品は、主張が非常にストレートで小気味良かった。校歌とＯＰ歌詞がメインテーマを全て語りつくしている。「輝くとき仲間とともにある」「後でわかるよ、全ての意味が、今はわからなくても」ごもっとも。良い詩です。

Posted by ショートカット萌えなんだ at 2007年03月28日 00:29

馬鹿侍さん、こんにちは。

>あのセリフのせいで、逆に変に現実に引き戻された気がしてちょっともったいなかったですね。

しかもあの時の台詞が、今までに無いくらい説明台詞なんですよね。
私、あの台詞はスタッフのふてくされなのでは、と密かに思っております（笑）。


>と、それはおいておいて、演出も見事でしたし、見終わった後にしばらく何とも言えない余韻に浸れた素晴らしいアニメでしたね。

そうですね。そこばかり突っ込んでても仕方有りませんし。
全体を見渡せば、非常にメッセージ性が高く、尚かつエンターテイメント性にも富んでいて、その辺のバランスがうまく取れていた良作だと思います。

次作も期待したいですね！

Posted by えみりおん at 2007年03月28日 14:19

ショートカット萌えなんだ　さん、ご無沙汰です。


>というか、そこで切って後日談付きスタッフロールに繋げたほうがすっきりする。機内シーンや帰国＋ＯＰシーンは、蛇足に感じた。

ひっそり私もそれは思っておりました（笑）が、勢いが余ってしまったのでは、と。帰国したみかんが遮断機の前で待っているみんなと再会するシーンなどは、前にみかんがみんなに置いて行かれる夢を見たあそこでしょうし、ＯＰのアレもそう。
あれ仕掛けてやる、これ仕掛けてやる、というUFOテーブルの…まあ、お家芸と見ておきます（笑）。


>ＰＶ４の廃墟映像を見ると、途中でメインストーリーの方向を変えた気がしてならない

真意の程は解りかねます。何しろシノブの捏造ＯＰとかの例もありますし、PVはインパクト重視だ！　とばかりに適当にフカシこいただけかも？　そーゆーのやりかねませんし、好きそうですし（笑）。


OPの歌詞、良いですよね。ただあくまで個人的な感想なんですが、林原さんが歌うとなんか上から下にもの申す、的な威圧感があって、ちょっと恐いんですよね（笑）。

何か文句ばっか言ってる気がしますが、いやこの作品好きでしたよ。いやホント。

Posted by えみりおん at 2007年03月28日 14:28

> ひっそり私もそれは思っておりました（笑）

あ、やっぱり。
今日、全編を見直して気付いたのですが、みかんの髪留めが12話の渡米シーンのみピンクの兎に変わっています。これは当然、変化しようとする彼女の意思を象徴していますが、機内で白人女性と会話する最後のカットで突然いつもの三つ葉に戻っています。それと、ミニクーパの精確な作画にくらべて、青空を上昇していく旅客機のいいかげんなフォルム。勢いが余ったわりには、粗が目立つと思ったのでした。

> 林原さんが歌うと

故岡崎律子が歌うOP原曲を聴いてみましたが、それぞれ味わいがあって、どちらも良いと思いました。岡崎さんの歌詞は、ところどころに心にズキュンと響く言葉が入りますから、儚げな声質の岡崎さんが歌うのに比べて、林原さんの声では強すぎるのかも知れませんね。

> この作品好きでしたよ。いやホント。

私もこの作品は、久々に手放しで楽しめました。とにかく真っ正直でストレートな作り込みは、見ていて清清しい。気に入っているだけに、細かいところについ文句が出てしまいます。DVDで修正してくれるといいですね。

Posted by ショートカット萌えなんだ at 2007年03月31日 14:33

ショートカット萌えなんだ　さん、こんにちは。

髪留めなどは気付きませんでした。なるほど。
仰るとおり粗は所々見受けられますよね。

そして同じく仰るとおり、ストレートな作りは今時珍しく、妙に捻ったり、逆に仕事として流してしまうアニメが多い中、細かい粗に気付かないくらい（笑）全力でこのアニメ作りに取りかかってるのだろう、とか思わせる程の熱気。

トータルで眺めても、とても気持ちの良いアニメ。
満足でしたよ！

Posted by えみりおん at 2007年03月31日 18:47