でもミスリードが上手いから、むしろ騙されても清々しさすら感じたりします。
例えば8話でのゴシップの大人たちは、視覚的には醜悪に見えても、台詞をちゃんと聞いていれば人の良い凡庸な大人たちの会話だと分かります。
ハサミを人に向かって振り回したり首吊りをしたりなどの直接描写のみモノクロにする演出も、単に上から注意された時の言い訳なのかとも思ったのですが、今回の「余興」を見ていた大人たちには、壇上のハサミや首吊り縄は見えていない様な見せ方をしており。
要するに少年少女たちの傷つけ合いを凶器を使ったバトルでイメージとして見せたり、注射器みたいにセクシャルな事柄をシンボリックに描いたりなど。
巨人の星で左門の背中でクジラが跳ねたりする、あのモンタージュを現代風にスマートにアレンジした演出なのでしょう。
作劇的、モラル的に超えてはならない一線をかなり慎重に見極めており、だからこそフェティシズム的にもここまでなら大丈夫というギリギリのものを見せられる。
また中二病アニメかよと油断して見ていたら、意外と堅実に作られた良作。
きわどい描写はあっても不安定さは無い、安心して見られる作品です。
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