人類が衰退した理由は自然破壊とか戦争とかの物理的なものではなく、文化的な退廃やネットのような情報爆発などから、表の精神と裏の精神のバランスが取れなくなっていった結果なのかもしれません。
そんな中、銀髪ちゃんも「わたし」も裏と表とのバランスを取ろうとあがき、彼女たちなりに傷つきながら生きていきました。
そして妖精さんの存在を思い出した「わたし」は過去に向かって走ります。
妖精を解剖しようとしていた赤毛の少年は、猫を可愛がる少年に「変わって」いました。
これは単に彼の成長なのか、それともあの時を境に妖精さんが「わたし」の願いを叶えてくれたのでしょうか。
ラストでお勤め終了してエメラルドの妖精さんが飛び出して来たシーンは不覚にも、もらい泣きしそうになってしまいました。
前々回、妖精さんの神となった「わたし」。
また助手さんを産んだと同時に恋人にしてしまった「わたし」。
意図されないまま、彼女は新人類である妖精さんに祝福を受けているかの様です。
壮大なテーマをミニマムな村の日常で描いているような、小洒落た作風。
これは原作を読んでみたい。
個人的に今期のダークホースでした。
ここもツイートまとめ風になって、絶賛衰退中?
「人類は衰退しました」は、今期の作品群の中では異彩を放っていました。プロット、演出、美術、演技の尖り具合が素晴らしい。
切り絵風の角張った光芒表現や、蛾が蝋燭に焼かれる演出など、アイデアが凄いです。
ストーリは私の琴線に触れるものがなく、少々拍子抜けだったのですが、中原麻衣のトボけた演技が楽しくて見続けました。
まあ、なんというか「小粋な」作品でした。
いや〜、なんか色々忙しいのもあるんですが、褒める所がなかなか見つからなかったりすると、ビミョ〜な一言感想とかになりがちで、そんなんだったらTwitterのまとめの方が良いかな、とか思っちゃったりしまして。
マイナス点でもTwitterならネタにして笑い飛ばせますけど、こちらで書こうとするとどうしても構えてしまった「ここが良くない!」みたいな文調になるのも、なんか自分でも気分良くないですしね。
「人類は衰退しました」、良かったですね。
岸誠二監督は結構原作との相性で出来不出来の差(モチベーション?)が激しいので当初心配していましたが、良い方向に流れて嬉しい限りです。
そして視聴モチとして最初につまずかなかったのは、同じく中原麻衣さんの力の抜けた演技でした。
ああ、なんとか新番ラッシュまでに一応他のも全話見ておかなきゃ…。