単に印象に残らないというより、量子力学的に確率的にしか存在していなさそうな感じの助手さん。
彼も自分の存在確率を上げたいと思ったのでしょうか、人に「あなたは血液型ナニナニの性格ね」とか言われるのを足がかりにしようとした様です。
しかしあまりにあやふやな存在な為、それを言ってくれるどころか存在を認識してくれる人すらまともにいない絶望的な状況。
そんな時、いつも通り甘いお菓子を食べたいだけの妖精さんが引き起こした世界で、「わたし」は「わたし」が望む少年像を少しずつ作り出し、助手さんと「わたし」の心が引き合った瞬間、助手さんは「生まれました」。
恋が芽生えた瞬間です。
「わたし」は助手さんの存在を確定させた母親。と同時に助手さんを理想の恋人としても確定させてしまった。
なんかちょっと感動しちゃいましたよ。
童話的な味付けをしたSFガジェットを駆使して、恋の芽生えを描く。
なんとも素敵なお話でした。
タグ:人類は衰退しました