素晴らしい。今までで最高の出来では。
シナリオは「げんしけん」原作者の木尾士目さん、そしてコンテは「まじかる?ぽか〜ん」監督の八谷賢一さん。
まず何より今回の見所は、副会長に代表される「プロフェッショナル」と、時乃による「友達の絆」との対決。
ラスト近く、冷徹に、そして一分の隙も無く任務を遂行する副会長。スパイは斬る。障害(時乃)があればそれも共に斬る。プロフェッショナルです。
対する時乃は、「いづみちゃんはお友達だよ」発言で副会長の神経を逆撫でするのはいつも通り(笑)。副会長、この時本気で「子供の戯れ言はいい加減にしろ」と怒りに震えており、その鉄面皮が崩れます。
しかしその後、時乃の口から飛び出したのは「いづみちゃんはもうお友達だから、仲間になってもらおうよ」という言葉。
ウィズダムは高くてもインテリジェンスの低い時乃らしい言葉。
それを副会長は二重スパイと評しましたが、無論時乃のアッパラパーな頭にそんな政治的な思惑は無し。
次期副会長の勝利でした。
4話の感想にて、時乃の立ち位置に不安を抱いていた私でしたが、そうですか、こう来ましたか。恐れ入りました。
その時乃が振りまく「お友達パワー」は特に蓮子の行動に確実に反映されており、時乃が襲われた後、生徒会面々よりの通達を受けて激高する蓮子は、(本人は否定しているが)友達である時乃に向けるいたわりに溢れていました。
そして時乃が人質に取られた時
「何とかしなさいよ榎本千尋ぉ!
…ねえ、何とかしてよぉ」
…ねえ、何とかしてよぉ」
思わず千尋に頼ってしまった蓮子。
その千尋はと言えば、前回小雪が言った如く何も特殊な力は持っていません。
ただひたすら誠実なだけ。
短い間ですが千尋のその誠実さに触れて来た結果、天才で唯我独尊の蓮子が、遂に千尋をリーダーと認めた。その瞬間でした。
暖かい心が、完璧な組織力を持つプロフェッショナルに、取って代わろうとする、次期生徒会の未来が見えた気がします。
そしてもう一つ触れておかなければならないのは、その作画力。
アクションシーンの動きは言わずもがな。加えて今回はキャラクターの「表情」が凄かった。
もともと表情豊かなリサはともかく、今回特に副会長の恐ろしく微妙な表情変化が、言葉無しに全てを語ってくれます。
特にラストシーンにおける会長と副会長のやりとり。
その表情で、あの二人の強い信頼関係と、同時に歪んだ愛情が滲み出し、それを見守るリサの僅かな微笑みが、二人の決別は少なくとも今は無い事を視聴者に教えてくれます。
推測するに副会長は愛する会長に、千尋と結ばれて幸せになってもらいたいと願い、その恋敵となる時乃を消すために、既にスパイ容疑のかかっていた、いづみを次期生徒会の中に送り込んだのではないでしょうか。
そう考えると、副会長直属隠密である小牧すら「誰よ呼んだのは…」と不審がっていた点も納得いきます。
自らの手で、いづみもろとも時乃を斬ろうとしたのでしょう。
さあ、こんな凄いモノを見させられたらどうしましょう。
今夜は興奮して眠れそうにありません。
PS.
もう一つ百合っぽいシーンを挙げますと、同じくラスト小牧の店で、時乃が千尋の横に座ろうと椅子を引いた時にそこにいづみが割り込んで座った件。
「時乃ちゃんはあたしのものよ!」みたいな感じで可愛かった!
タグ:八谷賢一 くじびきアンバランス
きめ細かな考察に目からうろこが落ちました
>推測するに副会長は愛する会長に、
そーいうことなんですか?
それってすごい驚愕です
会長との仲をねっちり描いてほしいですね
>「時乃ちゃんはあたしのものよ!」みたいな感じで
これもポイント高いですね
もっとお話がふくらんだらいいな〜
>>推測するに副会長は愛する会長に、
>そーいうことなんですか?
いやー、1話から会長に向けている百合〜な眼差しは、もうまさにそれでしょう。
で、
「私の幼なじみを斬る事は許さん」
「あぁら、でも時乃さんがいましては、会長は千尋さんと結ばれません事よ。そういうヨゴレ仕事は私に」
で、ラストの台詞に繋がるのでは、と。
>もっとお話がふくらんだらいいな〜
でも、後残り4〜5話なんですよね…。
1クール少なすぎ。