
引き裂かれる二人と、その愛を護ろうとする友人たち。
見事な王道展開です。
「王道」と「ありがちなテンプレ」というのは時としてごっちゃにして語られがちですが、王道には本質を見ぬく叡智を持ったまま物語を究極にまでシンプル化できるものがあり。
対するテンプレには上っ面をマネしただけで満足して、それで終わってしまったりもする。
「芸術は爆発だ」と言いながら芸術家が爆発するお笑いネタを披露する人は、果たして線と線の交わるゼロの一瞬というものを理解しているのかどうか。
「自分を信じて」という歌詞をかっこ良さそうと書いてしまう人には、自分の奥底にある嫌なものを認める勇気と、ただのワガママとの違いを果たして理解しているのかどうか。
王道がなぜ王道たるか、改めて教えてくれる作品です。