当たり前すぎて、そして気恥ずかしくて、特に若い人達などはこのテーマに触れることを避けます。ホームドラマなどは古くさい、という人もいるでしょう。
そりゃSFやファンタジーとかの方がカッコイイし、可愛い女の子がすり寄ってくるアニメの方が楽しいでしょう。
しかし、人が生きていく上での最小単位であるちっぽけな家族。そして母と娘、という極小の繋がりですら、実力のあるスタッフによって熱意を持って描かれれば、これだけのドラマになるのです。
外見や言動からは想像も及ばないほど、強かった少女、観鈴。あそこまで強い心でなければ、全ての想いを受け止める事は出来なかったでしょう。
そして空へと消えていった観鈴を、やっと得ることが出来た翼で探しに飛び立つ「そら」。
それは全てから解放されたのだろう、砂浜で遊ぶ二人の子供たちに受け継がれ、タイトルロゴで幕は閉じました。
ただ、いくら実力があっても出来る事と出来ない事はある訳で。
しかし、このアニメを創ったことは無駄では無いし、無駄であってはなりません。
次はオリジナルですね。
輪廻の業を抱えて歩み続けなければならない。
そして、進化のステップをほんのちょっと登った、あの子らに、
そこから逃れるすべを託すしかないのでしょう。
一千年という時間は個体にとっては永劫に思えても、
生命の樹からすると僅かなひとときなのかもしれませんから。
観鈴の絶命は、OPの波に洗われる恐竜のぬいぐるみで予想できました。
あまりにも悲しいだろうと予想していたのですが、
この展開だと、悲しくとも満ち足りた思いに至ります。
そのへんは原作というよりは、アニメスタッフの力量なんでしょうね。
役者も良かった。久川が功労賞。
ストーリーが忙しかったけど、充実していました。
(もう3〜4話欲しかったなーと)
良い原作に、才能あるスタッフを。そして才能のあるスタッフには是非オリジナルを。
京都アニメーションの次回作、期待しております。