Airと同じ作りを予想していたのと、ゲームを既にプレイしていた事もあり、当初は微妙なもったり感がありましたが、初見の人にはこのくらいが丁度良いのでしょう。
と、言うよりAirの展開が急ぎすぎた、というのもありますが。
今回は2クールあるそうで、じっくりと腰を据えて観られるので安心です。
さすがは京アニ、とも言うべきキャラクターの演技。台詞の裏に隠れている心理を表情や仕草でしっかりとフォローしており、棒立ちで突っ立って会話しているだけの紙芝居アニメとは格が違います。
また同じように演出も手堅い。
例えばうぐぅが鯛焼きかっぱらいを説明するシーン。
二人が話す喫茶店内ではアップショットを多用し「とってもお腹がすいてたんだよ」という笑いどころで、真上からの俯瞰ショットにして「マヌケな空気」というものを演出。
これで三流のコンテですと、逆にこの台詞の時にアップにして背景に幾何学模様でも出してしまいダメ押しで「びよよ〜ん」とか効果音とか入れてしまうところです。
ただ敢えて難点を言えば、声優さんでしょうか。
Airにおいては川上とも子さんによる、一見頭が弱そうに見えて実は非常に強い心をもった観鈴の演技、そして既にベテランへ足を半分突っ込んでいる久川綾さんによる、心を絞り出す様な名演技(特にラスト近く)は語り草。
しかしこのKanonにおけるヒロイン(川上とも子さんも端役で出ていますが)声優さん達の(ちょっと敵を作るかも知れませんが敢えて言いますと)、媚びた演技は辛いものがあり。
まあこればっかりはどうこうなる物でも無し。諦める事にします。
さて、多くのアニメファンの期待を集めて始まった作品。
当然試聴決定で楽しみにさせていただきます。