そんな舞衣に、これでもか、というくらいの仕打ち。
正直、痛々しいです。
こんな話を聞いたことがあります。
昔コント55号を結成した萩本欽一と坂上二郎。当初のコントでの役割は、坂上がイバり萩本が蹴り飛ばされる、という配置だったのですが、お客が全然喜ばない。
何故だろう、と考えた末、今度はヒョロヒョロの萩本をイバり役にして、体格の良い坂上が蹴り飛ばされる、という形にした途端、お客がワッと沸いた、との事です。
痛々しかったのでしょう。
またもう一つ例を出しますと、一部ではキワモノ扱いされている神無月の巫女。それの10話「愛と死の招待状」。
オロチ側に寝返ってしまった千歌音が、ひょっこり姫子の基に戻ってきた。そして何も言わず姫子と幸せな百合百合の一夜を過ごしますが、この幸せ描写にBパート丸々使っています。
しかし、最後のほんの瞬間で、千歌音は姫子をどん底に突き落とします。徹底して描かれたBパートの幸せ描写があったからこそ、ラストシーンでの落差、メリハリがついて作品が引き締まるのです。
この辺り、神無月と舞-HiMEを比べてみると、テクニカルな部分では完全に舞-HiMEに軍配は上がるんですが、こと視聴者の心の誘導という点で見ると、荒削りながら神無月の方が優れていると感じるのですが、いかがでしょうか。
恐らく最終話には、みんな幸せめでたしめでたし、という大団円が待っているのでしょう。その前準備と称して、徹底した舞衣イジメを行っている訳で、ただそれが、見ていて辛い。
なまじシナリオにテクニックがあるもんだから、舞衣に突き刺さる痛みは並じゃありません。
こーゆー展開にこそ、カラオケが必要なんじゃないでしょうか。
確かに辛いけど観鈴に較べて突き放して見られるのは何故だろう。
観鈴ちんのはなんか、微妙に後ろ向きなひたむきさがクるんですよね。