声が出せない分、しげは動きによる演技で感情を出さなければなりませんが、そこは蟲師。作画は非常に安定しており、一流の演技を見せてくれました。
バストショットで歩くシーンなども、うつむき加減による重みで頭が揺れる、この神経の行き届いた作画。
やる気の無いスタッフですと静止画を撮影で上下に揺らすだけの所です。
ギンコによる説得内容はもっともで、しかしそれを解るわけにはいかない村人との確執は、もう少し描いて欲しかった気も。
錆が村から離れて行く描写も、CGを駆使したデジタルでないと出来ない表現。筆の海を彷彿させてくれます。
また、ピッチシフターを微妙に加えたしげの声のエフェクトも、機械的になる寸前の絶妙な微調整で、あの声が肉声に聞こえる良い仕事。
隙が無く、本当にどっぷりと浸かれるアニメです。