いかんね。
ここが良い、あそこが良いとか感心する前に世界に引き込まれてしまいます。いっそどっぷり漬かっちゃえば快感なんだろうけど、感想書きたいからブチブチ切りながら観ています。
演出
夜の街を歩き、母親の話をする佳乃。郵便ポスト(沈殿している伝えるべき物、の暗喩)で映像的に仕切られていた二人の心が、往人の言葉でその仕切りが外される。画面に映された物には全て意味がある。その実践。
作画
まともな歩行すら描けないアニメがある中、観鈴が夢の話をしながら歩くシーンがまた見事。写実的な基本を押さえた上での、デフォルメされた魅力溢れるアニメート。
脚本
人を変え口を借り、繰り返される「翼を持った女の子」というキーワード。くどくならない様に、しかし忘れた頃に出してくるタイミング。
そして声。
正直、この作りすぎたベタベタな声は私的にはちょい受け付けません。
例えば一人例を挙げれば、無口キャラの美凪。あの極端に押さえた声量だと、現実問題、他人と会話を成立させる事は不可能でしょう。特にみちるの様な張り上げるキンキン声とは。
しかして、シャボン玉が上手く作れないみちるに呼ばれ、「今行くわ、みちる」と答えるわずかな呟きは、恐らくみちるには聞こえていないのです。
音声こそ伝わっていないものの美凪はゆっくりとみちるの側に寄り、あの落ち着きの無いみちるは美凪が寄ってくるのをじっと待っているのです。心は伝わっているのです。
これが説得力。
みちると美凪、二人の間にだけにある約束事を、絵で魅せてくれて、有無を言わさず視聴者を納得させてしまう力。
あの声がダメな私でも、屈服せざるをえません。
これがアベレージになっちゃうと、他のアニメ辛いだろうなあ。でも、日本がアニメ大国を名乗るつもりなら、是非ともそうなって欲しいものです。
小粒に次々出されてくる出来事の多彩なバリエーションによって
懐の深さを感じさせるものになっているのでしょう。
テンポがまた心地よいねー
夜の病院待合室の一角からの俯瞰、無造作に投げられるスリッパ、ぽっと灯る室内の明かり。
あるいは蚊取り線香ナメのこれ見よがしのローアングルとか、
トンがったカットが非常に印象に残るのよね。
感想書いている人達のカキコ見ても、今のところは「原作が…原作と…」という感想が殆どなので何とも言えません。
来週の平日辺りに見に行ってみようかな。