神のみぞ知るセカイ 第１２話「神以上、人間未満」

なんて酷い最終話だwww

　イカ娘とかをはじめ、最終話に泣かせるお話を持ってきたりするアニメは多いのですが、この作品は全力で後ろ向きに突っ走ります。

　ヒロインのエルシィにまで「気持ち悪い」とか言われても、見ている我々は逆に清々しく感じられる不思議。

　しかしもともとこの作品はとても素晴らしい初期設定に支えられています。

　ギャルゲー世界にだけに生きる桂馬は現実世界の女の子を「攻略」しなければならなくなり、彼女らを落としにかかります。
　彼は現実の女の子を「駒」としてしか見ていないが為に、普通の恋愛において障害になる「感情」というものを排除し、神の視点にて冷静にそれらを解いていく。

　やがて桂馬は攻略の過程にて彼女たちの心に触れて徐々に惹かれていき、最終局面にてついにヒロインと「恋に落ちます」。
　しかしその瞬間、その恋はゲームのごとくリセットされ、桂馬は永遠に叶わない恋をし続ける事になる…。

　とてつもなく切ないドラマです。

　このように本編自体が非常にシリアスな展開なので、４話の様な桂馬のダメっぷりが逆に救いに感じられ、そしてそのダメっぷりを最終話に持ってくる辺りに、スタッフの「分かってる感」がひしひしと感じられました。

　電車男的な「ギャルゲーなんか卒業して現実の女性に恋をしろ」という上から目線ではありません。

　俺達は分かってて敢えてギャルゲーを選択してんだよ！

　という物凄くカッコ悪い我々の心の叫びを、落とし神さまは代弁してくださるのです。

　描写も非常に丁寧で、昨今のアニメにしてはとてもゆったりとしたテンポが逆に新鮮。
　渡辺明夫さんによる猛烈に可愛らしい女の子たち。

　全話においてほぼ捨て回と呼べるものが無かった安定感も讃えられるべきです。

　さあ、２期にはいると途端にパワーダウンする作品が多い中、大好きな作品なだけに是非がんばって頂きたいと思います。

　素敵なアニメをありがとうございました。