前半は実に丁寧かつ情緒的。
特に電話にて各知人に連絡する栄のシーン。
OZがどの様なものかも判らない彼女ですが、「言葉」にて人を動かす彼女の様に、強い感動を覚えました。
そして亡くなる直前に、孫をよろしく頼むと健二に告げます。
告げましたよね?
で、健二は何をしたのでしょう。
萌えコスチュームに変身までして、矢面でカードバトルしてる「よろしく頼まれた女の子」の横で応援…?
さすがにこれには、ぽか〜ん状態でした。
もちろん健二も主人公らしくオマケ的な危機には計算の才能を発揮するのですが、この才能はドラマ開始時には既に備わっていたもの。
彼自身が「このドラマ内」で努力して、乗り越えたものではありません。
ラスボスかと思われた侘助もヨワヨワで、心の支えだった栄を失ったあと、葛藤描写も殆ど描かれないまま、ちゃっかり「家族」に入り込んでしまい。
前半にてあんなにも丁寧に家族というものを描いていただけに、残念。
そしてその侘助がこちら側に来てしまった時点で、ラブマシーンはただの「災害」になってしまいました。
つまり、侘助vs家族の人間ドラマを期待していたのに、いつの間にかお涙頂戴の災害救助ドキュメンタリー番組にすり替わっていた、みたいな寂しい事に。
前半を見て大傑作だと確信しただけに、後半の暴投っぷりに頭を抱えてしまいました。
これは怪作と呼べるのではないでしょうか。
タグ:細田守