
Aパートは密室での会話劇。しかし、良く練られた構図に役者さんの良い演技、そして作画によるまた演技。
感情が顔に出ない者もいれば、それが声に出ない者もいる。逆に解りやすいくらいまっすぐに感情を出してくる者。
密室での会話のみでこれだけ多人数のキャラクターがこの上なく立っており、感心する事然り。
轟く叫び、同時に忍び寄る怪。全てが「感情」に突き動かされるドラマこそ、本物。
ふすまを開け、幾何学模様に居並ぶ猫たちが一斉に目を開き、上手を向く。能、歌舞伎に通ずる静と動、そして外連味。
直後に展開するは怒濤の見せ場。
アクション、アクション、アクション!
ほんの24分の中で、どこを引き、どこで捲るかを知り尽くした演出。
いやこれはまいりました。バンザイです。
まるで1本の映画を見終わった時の様な満足感。
今期は蟲師くらいか、と思われていましたが、思わぬ伏兵。
素晴らしい映像作品です。
しかし、緊張感高まった所で頭上をヘロヘロと流れるDVDのテロップ…。おいおい、勘弁してくれや。何考えてんだよぅ。
本当にこの作品に惚れ込んでいるのなら、作品中にテロップ流して水を差すみたいな事はしないでしょう。
「作品」を作っている方々と、「おしごと」を遂行する連中。
明快なコントラストでした。
[視聴2回目]
2話目は「静」の演出。
沢海陽子さんによる水江ご乱心の、迫真の演技で盛り上げ、その絶叫が最高潮に達した時、カタンと舞台の幕が開き、白無垢の女性が能のごとき「静」の演出にて時を止めます。
これこそが、「何もしない演技」という日本独特の侘寂(わびさび)の美。
融通の利かない頑固者だが、正義感と行動力は随一の
塩を取りに行く薬師と行動を共にする二人は、視聴者側の視点で、生存を約束された選ばれた者達です。
数々の謎を散りばめ、物語りはクライマックスへと…!