おにゃのこが二人でイチャコラしてたら売れるだろう、みたいな脳天気な作品が多い昨今、この作品は本気で百合ドラマを作っていて、何とも嬉しい限りです。
シリーズ序盤から見え隠れしていた、フタリノキョリ。
ユキちゃんと離れたくないからと無理をして、無理をして。
でもカナちゃんはその無理すら、ユキちゃんと一緒にいられる為のゲームの様な感覚でいます。
「これからも、ずーとカナちゃんと一緒がいいな」
そうだったら幸せなのに、と言うユキちゃん。
「ずっと一緒にに決まってるっしょ」
それに対して微塵も疑いを見せていないカナちゃん。
聡明なユキちゃんは、既にソノサキニアルコトを考えており、いつまでも二人ではいられないのではないか、と不安になります。
カナちゃんはと言えば、目の前のユキちゃんしか見えておらず、いつまでもこのままでいられると無邪気に信じていて。
「…ナニソレ」
ユキちゃんの言葉には、先の二人の関係への不安があり、そしてそれを少しでも後ろに追いやる為に今二人がするべき事は、という意味があるのでしょう。
しかしユキちゃんと一緒にいる事だけしか考えていないカナちゃんは、いきなり「進路の為にカナちゃんは勉強、私はバイトと、二人別々に頑張ろう」と言われ、裏切られたかと思ったのでしょうか。
うわー、ドラマだ!
百合好き的にはいつまでも永遠にこの二人がイチャコラしててくれる閉じた世界を望んでるのでしょうが、それではドラマが成り立ちません。
ああ、真剣に作ってるな、と感じました。
制作者の、この作品に対する気持ちがとても嬉しい。
仮にこの二人が別れる様な展開になったとしても、私は多分納得出来ると思います。
もう全てを安心して委ね、この名作アニメのラストを待つことにしましょう。