ラストの歩道橋にスラッと立ち上がる細身の長身は、これは男でもゾクっと来るかっこ良さ。
寡黙でクールだが、心の奥底で悪への激しい怒りが渦巻く。
何と言ってもクリント・イーストウッドの魅力に尽きます。
ダーティーハリーと言えばS&W M29と.44マグナムですが、意外やそんなに大きなフューチャーはされておらず、それよりも主役のキャラハンの魅力を描くのにたっぷりと演出を割いています。
クレーンに載って自殺者を説得(?)するシーンの恐怖と呑気スレスレの演出はお見事。
このシーンはクリントイーストウッド自らが演出したそうです。
全体を通して見られる望遠カメラを使っての超ロング撮影や、空撮、夜間撮影など意欲的なカメラワーク。
「さそり」役、アンディ・ロビンソンの名演技も外せません。
派手なドンパチに慣れすぎてしまった今の人が見ると物足りないかとは思いますが、その後のダーティーヒーロー物に大きな影響を与えた作品です。
タグ:ダーティーハリー