
2期最終話にして、恥ずかしながらやっとこのアニメが話数をシャッフルしている意味が解りました。
サザエさんの様な閉じた世界なんですね。
この作品は斬新な演出手法は取っているものの、世界観は徹底して保守的。
ゆのの背丈は絶対に伸びないし、ヒロさんのダイエットは永遠に成功しない。宮子の空腹は満たされる事なく、沙英さんの小説家としてのキャリアは新人のまんま。
時間軸をシーケンシャルにすると、当然ですが時間が進んでしまいます。
原作に追いつくなどの宿命も起きるでしょうし、最終話には何らかの形で「物語を着地」させなければならないでしょう。
そして最期には必ずこの「ひだまり荘」からみんなが卒業して行く時が来てしまうのです。
それはこのアニメを愛する人なら誰一人望む事ではありません。
でも、物語をシャッフルさせて循環させ、時間を閉じてしまえば、この幸せなひだまり荘は永遠に続きます。
連載中の原作ストーリーが進んでも、折り合いをみてヒョイとそれを拾ってくれば、その1話はちょっとだけ未来のお話にはなりますが、また次の回に過去のお話を持って来れば、ひだまりスケッチの世界は相変わらず閉じたままです。
監督は多分この作品をライフワークにするくらいの覚悟で、この手法を取り入れたのでしょう。
ぽかぽかと暖かいひだまり荘で、みんなが楽しく暮らしている、永遠の楽園。
私はスーパーロボット大戦マニアなのですが、そのシナリオの中で地球の守護神の様な存在が現れ、あらゆる敵から地球を護る為、時空間ごと地球を閉じてしまう、というクライマックス展開がありました。
主人公達は未来を否定したその意志に逆らい、ガンエデンと呼ばれる地球の守護神に闘いを挑み、永遠の楽園を否定し、打ち破りました。
その展開に燃えて感動した私が、何と今度はこの「ひだまり荘」という永遠の楽園の存在に萌えて感動してしまった事に気づき、愕然。
変わらない日常の暖かさ、そして尊さ。
なんか物凄いモノをもらった気がします。
このまま永遠に壊れない日常を。
ひだまりスケッチノベル