ドキドキしたりピリピリしたりしている他の部員たちをよそに、楽しそうに星座の本を買うアイちゃん。
レース開始直前まで一人その本を読んでリラックスしている彼女。
もしこの星に風の神様がいたとしたら、アイちゃんはその神様に祝福されている事でしょう。
同時に「仕事」をする大人たちも素敵。
特に今回の大会委員長は実に良いキャラ立ちをしていて、レースを愛するあまりに暴走するその姿は滑稽ですがカケラも憎めません。
宇宙船が大気圏内に落ちてくるというトンでもない絵面も凄いですし、弁天丸の危機にアイちゃんが駆けつけて風を教えてあげるシーンも素晴らしかった。
前回既にアイちゃんの素質を見抜いていたケインは彼女の言葉が終わる前に舵を切ります。
この数秒に満たないワンカットに、アイちゃんによせるケインの絶対的な信頼感が溢れています。
これぞ演出。
そして全てのモニターが死んでしまったヨットのフードを開けるアイちゃん。
もう優勝は出来ないだろうけど、この星でしか感じられない濃い風を肌いっぱいで感じるその姿は、エアコンの効いた部屋の中でアニメを見ている自分が恥ずかしくなってしまうくらい生き生きとしています。
そしてアイちゃんは大好きな星座の本で覚えてしまったのでしょう星の位置で方角を見て、機械操作で舵を取り、ゴールへと向かうのです。
伏線の張り方が上手いとかいう映像作品の構成云々以前に、なんか人間のあるべき姿をアイちゃんから教えてもらった気がして、見終わった後で感動でいっぱいになってしまいました。
アイちゃん編、楽しませて頂きました。
いやほんと、このアニメ切らなくて良かったですよ。