
始まった当初の御狐神くんは、いわゆるBL系とでも言いましょうか「ふっ…」とか言いながら優しい言葉をかけ、その実は物凄い切れ者というパターンキャラかと思い。
同時に凜々蝶さまも、面白いタイプのツンデレだなとか思ったものですが、キャラクターをそんな表面的にしか掴めなかった自分が恥ずかしくなる様な人物描写。
感受性の強すぎた少女と、感受性を育めなかった少年。
どちらも機能不全家族が産み出した被害者。
少女は耐えて虚勢を張る事で生き抜き、少年は媚びて騙す事で生き抜いた。
傷の舐め合いの様に見えますが、二人は互いに「私達って可哀想だね」と言い合っているわけではありません。
誇りを持って生きて来た二人が周囲に助けられながら、その間違った誇りの方向性を微妙に修正しつつ、生き方を学んでいる、まさに最中。
実に奥深く、人間を描けている素晴らしい作品です。